カラマーゾフ1巻読み終えた
「ああ、たしかに自分もこうやって人に接してるなあ」
と思う箇所がたくさんある
現実で現象は単純明快におこるけど、
それを忠実に文字におこすとこうなるんだな
普段読んでいる小説は省略されている部分がとても多い
ドストエフスキーは詳細までちゃんと書いてくれている!!!
分厚くてとっつきにくい感じがあったけど、そういうわけで分厚かったんだな!


1巻のハイライト
「ブルガリヤでは、トルコ人やチェルケス人たちがスラブ人の一斉蜂起を恐れて、いたるところで残虐行為を働いているということだ。つまり、焼き殺したり、斬り殺したり、女子供に暴行したり、捕虜の耳を塀に釘で打ち付けて、朝までそのまま放っておき、朝になってから縛り首にしたりするなど、とうてい想像もできぬくらいだよ。実際、ときによると≪野獣のような≫人間の残虐なんて表現することがあるけど、野獣にとってこれはひどく不公平で、侮辱的な言葉だな。野獣は決して人間みたいに残虐にはなれないし、人間ほど巧妙に、芸術的に残虐なことはできないからね。虎なんざ、せいぜい噛みついて、引き裂くくらいが精いっぱいだ。人間の耳を一晩じゅう釘で打ちつけておくなんてことは、虎には、かりにそれができるとしても、考えつきやしないさ。ところがそのトルコ人どもは性的快感を味わいながら子供たちまで痛めつけ、妊婦の腹から短剣で赤ん坊をえぐりだすことからはじまって、母親の目の前で赤ん坊を宙に放りあげ、それを銃剣で受けとめるなんて真似までやってのけるんだ。母親の目の前でというのが、いちばんの快感になっているんだよ。ところが、ひどく俺の関心をひいた一つの光景があるのさ。まあ想像してごらん、ふるえおののく母親の手に乳呑児が抱かれ、入ってきたトルコ人たちがその周りを取りかこんでいる。やつらは楽しい遊びを思いついたもんだから、赤ん坊をあやし、なんとか笑わせようとして、しきりに笑ってみせる。やっと成功して、赤ん坊が笑い声をたてる。と、そのとたん、一人のトルコ人が赤ん坊の顔から二十センチ足らずの距離でピストルを構えるんだ。赤ん坊は嬉しそうに笑い声をあげ、ピストルをつかもうと小さな手をさしのべる。と、突然、その芸術家がまともに赤ん坊の顔を狙って引金をひき、小さな頭を粉みじんにぶち割ってしまうんだ……芸術的じゃないか、そうだろう?ついでだけど、トルコ人は甘い物が大好きだそうだ」
ついでの豆知識どうでもいいよ!とそれまで真剣に読んでたけど笑った。