スズメの思い出

「誰かとは、人生に踏み込んできて永久にそれを変えてしまうような人間だ。」スティーブマーティン



エゴの世界


ある日死にかけのスズメを発見、
汗で羽はシオシオ
左半分を地面につけ、息も絶え絶え



たまやん「いまネットで調べてる!」
きょうちゃん「わたしのタオル使う?」
たいすけくん「甘いパン食べるかな」



草むらでスズメは微妙に生きているよう
けど
蟻やハエやウジにたかられてる
まるで地獄絵、生き地獄



ここに置いたから悪いんだ
すでに苦しんでいたスズメが、さらに苦しむようなことしてしまった
一度手出したんだから最後まで手出してやれ
というわけで
ハエを追い払い
蟻はバシバシ殺して、ウジもガシガシ殺し
左耳の穴から蟻がいっぱい湧き出てきてびっくりした
スズメに耳があるっていうことにもびっくりした
しばらくこのまま抱っこして
そのうち死んで、そしたらどっかに埋めよう



かろうじて生きているスズメ
「ごめんスズメおおきなお世話だった、元気でそう?大丈夫だよ、安心してね」
授業をサボって、ひたすらスズメに謝り励ます私



⑤しばらくして
ぐったりしていたのが起き上がり
チュンチュンないて
ちょっとずつ歩き出す
羽がフワフワになる



ヨロヨロと歩いたかとおもうと、わたしの手に乗ってくる
「うわーハムスターみたいだー!このまま友情が芽生えるのかも・・・」



と思いきや
スズメはウンコして私から離れていく



わたし「あっ学部長!いま死に掛けてたスズメが元気になったんですよー!」
学部長「なに?君はゼミやめたと思ったらスズメに夢中か!」
その後しばらく、学部長の家にツバメが飛んできて巣を作ったという話をされ



スズメが仲間か親に、ミミズをもらいまくって
ピョンピョン元気いっぱいになる
仲間は一生懸命ミミズを捕まえて
捕まえてはスズメに食べさせる



たまやんとポリンキーを食べながら元気になったスズメちゃんを見送る


ああ、元気になってよかったー
生命力ってすごい!
なんでも諦めなければうまくいくんだ!



次の日
スズメちゃんがいたあたりに様子を見に行ったら
木陰に昨日のスズメちゃんらしきスズメが横たわっていた
脳味噌の部分はほとんど蟻に食べられてなくなっていた



なにをもって良くなったっていうのか
スズメにとって幸せってなんなのか
死ぬの早めるのが悪なのか
遅めるのが善なのか
安楽死は殺すことなのか


不安定なエゴなら最初から振りかざすなよ!と思った
けど、そういうものなのかも
善意だってなんだって価値観の押し付けで
あたりさわりないようになってもつまんない


優先席でお年寄りに席を譲るのは本当にいいことなのかっていうさ
電車で立ってる方が体鍛えられてお年寄りのためになるかもしれないじゃん
短期的な利益のほうを優先しがち
なにを利益ってするかもエゴによりけりで結局個人主義
じゃあ公共の益は何、多数決ってこと