本『原初生命体としての人間』野口三千三

 

水泳によって、

人間が流動体だと実感しているわたしは

様々な体操や拳法の勉強をしているところ

その一環として読んだ本!

すべて解き放たれて、再構築されてゆく!

 

 

「人類のために、国家社会のために、階級のために……。そんなことはみんなうそっぱちだ。人のためにということが偽りなのだ。自分自身のために……それに徹することこそ、ほんとうの生き方だ。そこから生まれた人類・社会・階級でない限り、根なし草でしかあり得ない。必ずいつか挫折するしかないであろう。

 すべてのこだわりを捨てきったところ(無・空)……ということも、自分自身に徹底的にこだわることから出発しない限り、生きるエネルギーを失った空疎なものになりかねない。ほんとうに生きるためには、堂々と自分自身にこだわり、徹底的にわがままを通すことだ。

 他人を偽ってもよいが自分を偽るな、他人を傷つけてもよいが自分を傷つけるな。しかし自分が自分であるために、一番大事な何かのためには、自分を偽ろうが傷つけようが、それは全く差し支えない。そうするしか自分であり得ないからである。

 完璧……なんと空疎なことばであろう。人間のやることでおよそ完璧というものがあるはずがない。あるはずのないものをあるかのように思うことは、明らかに欺瞞だ。またもしそのようなものが仮にあったとしたら、それはおよそ退屈きわまりないものとなるであろう。もう生きることにおいてなすべきことが、すべて終わってしまうからである。

 自分勝手、ひとり合点、何がなんだかさっぱりわからない……大いに結構。ただひとつの願い、それは舞台に関係する一人一人のすべてが、ほんとうに自分を大切にしてほしいということだ。ほんとうに自分がやりたいことを、どうしてもこうやりたいのだというやり方を、とことんつきつめて、まるごと全体の人間として、ぶつかってほしいということだ。」

 

俳優さん、舞台についての言及、なんだけど

我ら人間みな己の人生という舞台で自分を演じているわけで、

バシバシ心に響く野口さん!!かっこいい!

 

 

この本の、一番のハイライト

「肥満児はまだ少なかった頃のことである。一人の女子中学生が、母親と一緒に深刻な顔をしてたずねて来た。中学生は一人になると涙を流しながら「私は脚が太いのでみにくく、死んでしまいたい」と本気でいうのである。太っているのは脚だけではないと私は思ったが、~~」うんぬん

 

つねに本質を突く野口さん!!かっこいい!