「彼女は平凡な生活をいつでも創りなおすことが出来る。僕を含めてほかの人間には、逆の器しかないだろ。創意あふれる生活を、一瞬一瞬、平凡なものにして、なにかに驚く余裕なんて、まるで残っていないんだ。」


「恋とは愛する人以外のすべてが輝きを失くし、破壊されることだ」


「自分は何もしないし何の役にも立たない、人生とは単に生きること、生産しないこと、世界という機械の中で割りあてられた十センチ四方に収まること、そう思っているために軌道から外れている自分を支持してくれていることが分かったのだった」


『陽かがよう迷宮』マルタ・トラーバ